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 第10回 投資信託の選び方

今回は、投資信託を選ぶ際のチェックポイントについてお話します。

まず、最も基本的な点を再確認しておきましょう。

@投資は「自己責任」である
 「自己責任」とは、自分で考えて行動し、その結果については自分で責任を取るということです。
銀行預金と異なり、常に危険性( 投資した資金が目減りする可能性 )のある有価証券投資を行なう場合 には、どこに危険性があるか、その危険性を軽減するためにはどうすれば良いかを自分で決めなければなりません。
「自己責任」の前提として、資本市場の公正性ということが言われます。このために情報開示、販売者の説明責任の整備が行なわれています。 このような手段を活用しない手はありません。
※銀行預金は安全といわれていますが、昨年の日本振興銀行の事例もあったように、「預金保険」で保全されるのは預金者一人につき1,000万円までです。 預金する銀行などをよく選ぶこと、一つの金融機関に集中させないことは必要です。(決済用預金には、例外措置があります。)

A投資信託には「元本保証」は無い
 「元本保証」とは、投資している期間中、投資した資金が目減りすることがないように金融機関などが保証
する、または、そのような仕組みが備えられているということです。
「元本確保型」の投資信託が販売されています。これは「元本保証」でしょうか?
答えはノーです。
「元本確保型」の投資信託の多くは、満期の時点等の一定の時点で元本が払い戻せるような仕組みで 運用されています。逆に言えば、その他の時点では元本割れすることがあるということです。
また、一定の条件が付けられているケースもあります。例えば、『運用期間中に日経平均株価が現在の60%以下に下がらない』、 『ドルの対円の価値が現在の50%以下にならない』といった条件です。
簡単に実現することが無いような条件設定がなされるのが普通ですが、リーマン・ショックの時には株価が大きく下落し、 この条件に引っかかって、元本割れが続出したのは記憶に新しいところです。
※リーマン・ショック=米国の投資銀行リーマン・ブラザーズが、サブプライム住宅ローン危機に よる多大な損失を被り、2008年9月同社は連邦破産法第11条の適用を申請、事実上破綻した。 これをきっかけに同社の取引先、同社が発行している社債等を保有する企業などに波及、米国経 済への不安、世界的な金融危機へと拡大した。日経平均株価も大暴落し一時7,000円割れを記録 した。

投資信託選びのポイント
 2011年1月末現在、日本の投資信託は6,700本近い数にのぼっています。その中から自分にあう投資信託をどのように選べば良いでしょうか。
(いろいろな考え方がありますが、ここでは基本的、一般的なチェックポイントをご紹介します。)  以下の5点をチェックポイントとするのが、最も一般的です。

@ 運用成績
どのような有価証券に投資するか(株式か債券か、同じ株式でも日本株か米国株か中国株か等)によっ て運用成績は大きく異なります。投資対象が同じ(または似ている)投資信託の運用成績と比べるのが 良いでしょう。(投資信託協会は、例えば、日本株式を「一般」、「大型株」、「中小型株」の3つに分類し ていました。また、投資対象地域は「グローバル」、「日本」、「北米」、「欧州」、「アジア」、「オセアニア」、 「中南米」、「アフリカ」、「中近東(中東)」、「エマージング」の10分類としています。)
値動きの大きさ(月ごと、または年ごとの基準価額の変動の大きさ)のチェックも有効です。長い期間 安定して高いパフォーマンスを残しているファンドが最も良いファンドといえます。
また、運用開始後間もないファンドでは十分な判断ができないことから、少なくとも3年間以上の運 用実績が確認できるものが良いといわれています。

A コスト
投資信託のコストとしては、買付け時、売却時、保有期間に応じてかかるものがあります。
・買付け時=販売手数料(商品説明・投資相談等の対価として、販売会社に支払う手数料です。ノーロ ードといって販売手数料がゼロのファンドもあります。同じファンドを複数の販売会社が取扱う場合 には、販売会社毎に料率が異なる場合があります。
・売却時=解約手数料、信託財産留保金(解約手数料は販売会社に支払う手数料ですが、日本の投資信託では徴収されないファンドが大多数です。 信託財産留保金は手数料ではありません。ファンドの解約に応じるために保有資産を売却する場合に費用がかかりますが、 これを残された投資家だけが負担するのは不公平であるという考え方に基づいて、解約する投資家にも負担してもらおうというものです。 文字通り、信託財産中に留保されます。)
・保有期間に応じて=信託報酬(運用の対価として運用会社に、資産管理の対価として信託銀行に、事務管理の対価として販売会社に それぞれ支払われる手数料です。)
※この他に、ファンドの組入れ資産の売買委託手数料、監査報酬など、ファンドの運営に必要な費用がファンドの資産の負担となります。

B純資産残高
ファンドを安定的に運用するには一定の資産規模が必要です。(投資する有価証券等の種類によって必要 額は異なります。)一般的に10億円〜30億円の資産残高があるのが望ましいといわれています。

C運用期間
投資信託の信託期間は無期限とされる場合と一定の時期(設定日から10年間など)に満期になるものと があります。折角良いファンドを見つけて投資したのに1年もしないうちに満期になっては仕様が無い ですね。目論見書(投資信託説明書)で確認しましょう。

Dファンドマネージャー
インデックスファンド等のように積極運用を行なわないファンドは別ですが、一般にファンドマネージ ャーが変わると、そのファンドの運用が変わる可能性があります。それまでとは大きく運用成果が変わ ることもあります。ファンドマネージャーの運用経験年数も確認しておきたいところです。5年以上が望ましいといわれています。

投資信託に関する情報
どんな投資信託があるのか、その仕組み、運用の実績などの情報は、どのようにして集めれば良いでしょうか。 最近では、いろいろな媒体を利用することができます。
・格付投資情報センター、時事通信社、スタンダード&プアーズ社、東洋経済新報社、日本金融通信社(ニッキン)、ムーディーズジャパン、モーニングスターなどのホームページで情報を取ることができ ます。(50音順。この社名でGOOGLE等で検索すれば良いでしょう。)
・投資信託委託会社、証券会社などのホームページも利用できます。ただし、それぞれの会社が取扱っているファンドの情報しかありません。
・業界団体のホームページを見たり、問合わせたりすることもできます。証券広報センター証券情報室、投資信託協会などがあります。
・日刊新聞には投資信託の基準価額が掲載されています。新聞によって掲載の内容・頻度が異なります。当然ですが、日本経済新聞が最も充実しています。
・その他、書店で情報誌・マネー雑誌を見ても良いかもしれません。

運用状況の確認
投資信託は、価格の変動する金融商品ですので、買った後も定期的に運用状況を見ておきましょう。 同じような有価証券に投資するものに比べて、運用成果が著しく劣る場合には、解約を検討しなければ ならないかもしれません。
・投資信託の運用会社(投資信託委託会社)が作成する月報、週報など
・投資信託委託会社が作成する運用報告書(ファンドの決算期毎に作成されるのが原則)
※運用報告書は法律で作成が義務付けられているものです。ただ、これは1年に1回あるいは 6か月に1回しか作成されません。そこで、投資信託委託会社は月1回または週1回運用レポー トを作って受益者の方にとどけられるようにしているのです。


このミニコラムも今回で10回目になりましたので、一旦終了させていただきます。
投資信託の基礎編が終わったといえるかもしれません。
ご覧いただきました皆様、有難うございました。
またお読み戴けます機会を楽しみにいたしております。

2011年3月 Hiroki.T


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第4回 「証券投資信託とは」(3) へ
第5回 「証券投資信託とは」(4) へ
第6回 「投資信託への投資」 へ
第7回 「投資信託への投資」(2)へ
第8回 「投資信託への投資」(3)へ
第9回 「資産配分の見直し」 へ


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