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 第9回 資産配分の見直し

前回までに、「ライフプラン」に基づいた資産運用・投資のための「資産配分」をしました。

ところが、この「資産配分」は時間の経過とともに変わってしまいます。
前回ご覧いただいた資産配分例のうち、「標準型」を見てみましょう。


(目標利回りが5%から10%程度の「標準型」の例)
日本株式外国株式日本債券 外国債券
25% 25% 25% 25%
円グラフA
「資産配分」を行ない、投資をはじめて1年間経過したとしましょう。
各資産の損益は、どのようになったでしょうか。

(例) 「日本債券」は±0、「日本株式」は+10%、「外国債券(円換算)」は−5%、「外国株式(円換算)」 は+15%の、それぞれ損益となった場合を考えてみます。

@ 投資を始める時点では、4つの資産に25%ずつ配分しました。
(投資・運用総額=1,000万円、4資産に各250万円ずつ投資ということです。)

A 1年後の各資産の残高は、
「日本債券」=250万円のまま、
「日本株式」=275万円(250万円×(100%(投資額)+10%(収益))、
「外国債券」=237万5千円(250万円×(100%(投資額)−5%(損失))、
「外国株式」=287万5千円(250万円×(100%(投資額)+15%(収益))
資産合計は1,050万円となります。

B この時点での各資産の比率は
「日本債券」=23.8%(250万円÷1,050万円)、
「日本株式」=26.2%(275万円÷1,050万円)、
「外国債券」=22.6%(237万5千円÷1,050万円)、
「外国株式」=27.4%(287万5千円÷1,050万円)
となっています。

このまま2年、3年と放置しておけば、資産配分比率は大きく変わってしまいます。

C 「リバランス」しましょう。
このようにして変わってしまった資産配分の比率をもとに戻すことを、「リバランス」といいます。
資産配分比率が変わったままでは、折角ライフプランに基づいて資産配分を決めた意味がなくなってしまいますね。
具体的には、より大きな収益率となった(増加した)資産を売って、より小さな収益率または損失となった(減少してしまった) 資産を買増して、最初の配分比率に戻します。

D 「リバランス」は、どのような頻度で行なうべきでしょうか。
売買を行なうことになるので、手数料が発生します。そのための手間もかかります。
先ほどの例(資産によって15%の収益から5%の損失まで)のようなバラつきがあっても、1年間で は配分比率の差は4.8%(27.4%と22.6%との差)でした。
資産配分比率が5%程度以上ゆがんだときには「リバランス」を行なうべきと考えられます。(前回ご覧いただいた3つの資産
配分例は5%刻みで配分比率を決めていました。)
「リバランス」は、1年に1回あるいは半年に1回で十分でしょう。
半年または1年経過後の資産配分のゆがみが3%以内の場合、「リバランス」を実行しないと決めておくことも、コスト削減などのために有効かもしれません。

E やっぱり「リバランス」は面倒くさい、手間をかけるのは嫌だという方もいるかもしれません。
投資信託のなかには、バランス型ファンドといって、株式、債券など複数の資産を組入れて配分比率を固定しているファンドがあります。(配分比率を固定していないものもありますので、目論見書などでご確認ください。)このタイプのファンドはファンドマネージャーが「リバランス」を行ないますので、手間が省けるとも考えられます。ただし、その手間の分信託報酬の率が高くなっている場合もありますので確認しておくことが必要です。
(投資信託協会の商品分類では、「資産複合」のうち「資産配分変更型」に該当します。

このほか、ライフサイクルファンドといわれるものがあります。以下の2つのタイプが典型的なも のです。
A) 運用会社がライフサイクルファンドとしてリスクの異なるファンドを複数用意し投資家が自分の運用目標等にあわせて
ファンドの乗換え(スイッチング)を行なうタイプ
B) 運用会社がファンドの満期目標時期を定めその満期時期にあわせてファンドのリスクを徐々に減らしていくタイプ
(この場合には、投資家はファンドのスイッチングを行なう必要はありません。)

ただし、ライフサイクルファンドの場合には、途中での解約(換金)が制限されたり、運用会社の手間(リスクを徐々に調整するためなど)に応じて信託報酬の率が高く設定されていることがありますので、目論見書などで確認しておくことが必要です。

次は、投資信託を選ぶ際のチェック・ポイントについてお話したいと思っていましたが、ここまでで、既にかなり長くなって
きました。
また次回にさせていただきたいと思いますが、今回は1点だけ触れさせていただきます。

最近、新聞紙上などでも『毎月分配型、高分配率のファンドが目立つ』という記事が散見されます。 このようなファンドは、どんな時に利用すべきなのでしょうか?
結論から言えば、これから資産形成をしたいと考える方には向いていないファンドであるといえるでしょう。
毎月分配で高分配率ということは、市場の環境が絶好調の場合には良いのですが、そうでなければ往々にして月々の収益以上の 分配を行なうということになりかねません。
さらに、毎月分配金を支払うということは、毎月税金を支払うということでもあります。
この種のファンドは、既にある程度の年齢に達した方が、お財布の代わりに利用するファンドであるといって良いでしょう。
例えば、1千万円投資をして毎月10万円の分配がもらえる(これでも年率12%の分配ということです。こんなに収益率の高い
ファンドは、なかなかありません。実際の収益率以上に分配しているケースも多いと思われます。その場合には、保有して
いる口数は変わらなくても一口当たりの基準価額が分配によって下落していると思われます。チェックしてみましょう。)ということなら、季節毎にご夫婦で旅行をしたり、お孫さんにお小遣いをあげたり、豊かな老後が送れそうです。

次回は、投資信託を選ぶ際のチェック・ポイントについてお話します。


2011年2月 Hiroki.T

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